コンソーシアムを代表して、ここに御挨拶を申し上げます。この法人は設立の趣旨にありますように、地域において医療や福祉の分野を幅広く支える社会の仕組み、諸々の機能の参画によって成り立ちます。福祉や医療を現に直接的に提供している機能についてのみならず、それらを支える上水道、下水道、電気、ガスといったストラクチャーも、食事を受け持つ厨房も、そして病院などに人や物を運ぶ社会の仕組みも、どれひとつをみてもBCPに与ります。それらのスクラム体制を構築しようとなれば、つまりは「災害時において福祉〜医療機能を存続させるべく諸事業の連合体を組もう」に至るわけです。
　しかし、様々な業界にて活躍している企業体の多くが当初から一気に参集することは難しいはずです。このような連合体の具体的な構想は前代未聞ですから尚更です。そこで、私ども提唱者としては、自らの理論構築に資することも含めて、まずは言わば学術団体としての体裁から出発することとしました。本コンソーシアムに団体ないし企業としての参加は勿論可能ですが、この2〜3年は会員同士が本テーマを軸に“互いに学び合う勉強会を”ということです。かかる学びの先には、必ずや実学が求められますので、その折には設立の趣旨に沿って大いに発展させていきたく思います。皆様には本コンソーシアムに奮って参加されますことを切望いたします。

一般社団法人Healthcare BCPコンソーシアム
理事長　有賀　徹